看護師は、職場の特性上、休みが少なく不規則な労働時間が多いため、仕事とプライベートのバランスを取るのが難しい職業の一つです。
しかし、仕事に打ち込むためには、充実した休息が必要不可欠です。
本記事では、看護師の休みが少ない理由や改善策、休みの多い職場を探すポイント、おすすめの休日の過ごし方について解説しています。
看護師は休みが少ない⁈
一般企業に勤める会社員の多くは、土日や祝日は休みで、年末年始やお盆、GWなどは連休になることが多いです。年間休日は120日以上ある企業も少なくありません。
完全週休2日制で祝日休みや長期休みがない場合の平均年間休日数は「104日」、完全週休2日制で祝日休みである場合の平均年間休日数は「120日」が目安です。
看護師の年間休日は少ないイメージがありますが、実際はどのくらいあるのでしょうか?

看護職のワーク・ライフ・バランス(WLB)インデックス調査によると、
看護師の平均年間休日日数は約118日となっています。
年間120日以上休みがある看護師は、全体の約52%となりました。
一般企業の平均年間休日が120日と言われているので、看護師の休みは少なくはないと言えます。
休みが少ないと感じてしまう理由
看護師の休みは決して少なくはないと言えますが、なぜ休みが少ないと感じてしまうのか?
看護師は、夜勤などで生活リズムが乱れやすく、さらに重労働なので翌日のことを考えて休日も過ごさなくてはなりません。
なので、なんだか感覚的に休んだ気がしないので休みが少ないと感じてしまうのでしょう。
そのほかにも看護師の休みが少ないと感じてしまう理由はこちら

人員配置がギリギリ
勤務する看護師の人数は、患者さんの数に合わせて決められます。
本来なら人員配置には多少の余裕を持たせるべきですが、コスト削減のため、ギリギリの人数しか割り当てない病院も多いようです。そもそも看護師の絶対数が不足していることもあり、人員配置に余裕を持たせたくても難しいケースもあります。
少ない人数で業務をこなすと、1人欠けただけでも大変な支障が出ます。そのため、看護師は無理をして出勤することが多いです。

仕事に対する責任感が強い
看護師は、患者さんの健康や命を守る重大な責務を負った仕事です。そのため、看護師には責任感が強い人物が多い傾向にあります。
しかし、必要以上に自分に厳しくしてしまうという短所にもなりえます。責任感の強さゆえに、休むべきときにも出勤してしまう看護師が多いです。

残業が多め
患者の急変や緊急入院で残業になってしまうケースは多くあります。
また、終業時間後に看護記録を記入したり、勉強会や研修が行われたりすることもあるため、看護師は残業が多くなりがちです。
そのため、勤務後に友人との予定などを入れることに躊躇してしまい…仕事を優先してしまいます。

希望通りの休み
看護師の数がぎりぎりなので余裕がなく希望通りの休みがとれません。
休暇の希望を我先に書こうものなら悪口を言われるでしょう。
経験年数が浅い看護師ほど、遠慮しないといけないような暗黙の了解があるようで、先輩や師長の顔色をうかがいながらひっそりと希望を書き込まなければいけません。

以上のような理由から、看護師は休みが少ないと感じることがあるかもしれません。しかし、適切な休暇を取り、バランスの取れたライフスタイルを維持することは、看護師の健康維持やパフォーマンス向上につながります。
休みの少なさに悩んでいるときの改善策
この病院って休みが少ないですよね…私、最近ずっと働いてる気がする…
そうだね、私も最初は大変だったよ。でも、慣れてくるとなんとかなるわよ。
でも、休まないと疲れがたまるし、体調も崩しちゃいますよね…
そうだね。でも、少し工夫すれば休みを取りやすくなることもあるよ。私は休めるときには必ず休むようにしてるし、仕事が忙しくなってきたら前もって上司に相談するようにしてるよ。
休みが少ないことに悩んでいる場合は、以下の改善策を試してみると良いでしょう。
上司や同僚とコミュニケーションを図る
休みが少ないと感じた場合、上司や同僚とコミュニケーションを図ることが改善策の一つとされています。休みを増やすことができない場合でも、業務内容の見直しや調整が可能かどうかを話し合うことで、負荷を軽減することができるかもしれません。
また、休暇のスケジュールを事前に共有することで、スムーズな業務の進行を図ることができます。

オンとオフの切り替えを意識する
仕事とプライベートを切り離し、休日は休日として過ごすことが大切です。例えば、趣味を楽しんだり、友人と過ごす時間を作ったりすることで、リフレッシュすることができます。
また、仕事中にストレスを感じた場合は、深呼吸をしたり、簡単なストレッチをしたり、散歩をするなどして、気分転換を図ることも有効です。

健康管理をしっかりする
健康管理をしっかりすることが、休みの少なさに悩んでいる方に改善策としておすすめです。食事や運動、睡眠などの健康習慣を改善することで、体調不良による休みを減らすことができます。
また、看護師は、ストレスが多い職業の代表格です。定期的な健康診断も受けるように心がけましょう。

副業をする
副業をすることで、月々の収入を増やすことができます。しかし、医療従事者としては、副業に関する規則や制限があるため、注意が必要です。副業をする前に、雇用先の規則に照らして許可を得る必要があります。
また、副業を通じて得た知識やスキルが、本業にも活かされたり、収入が本業を上回ったり、うまくいけば、正社員ではなくパートにするなどして休みを増やせます。


他の病院・クリニックに転職する
他の病院やクリニックに転職すれば、休みが多くなる可能性もあります。たとえば、大学病院・国立病院は比較的、年間休日が多めです。
クリニックの場合、休みは運営方針によって変わるものの、月に8日程度は休める場合が多く、急な出勤も頻発しません。
カレンダーどおりに休みたい方には、保育園勤務の看護師もいいですね。
転職先の病院・クリニックで働くスタッフの雰囲気や働きやすさについても調べることをおすすめします。


看護師の休みが多い施設は?
看護師が働くうえで、休日の数やスケジュールはとても重要なポイントです。職場を選ぶときには、施設の種類によって休みの特徴が異なることを把握しておきましょう。
クリニック(診療所)
難しい手術や夜勤のないクリニックは人気の職場です。突発的な残業も少なく、クリニックの休診日が休みになるので勤務が不規則になることはありません。
日曜・祝日休みで、年末年始やお盆もカレンダー通りに休めるところが多いので、周りと休みが合わないといったこともありません。ただ、少人数で運営するクリニックの場合、希望休が取りにくいといったデメリットがあります。
病院
大学病院や国立病院のような大規模病院では年間休日が120日以上あることが多いです。運営体制がしっかりしているので福利厚生も整っていますし、在籍する看護師の数が多いので希望休が取りやすいといったメリットがあります。
しかし、病棟勤務の場合は夜勤がありますし休日に急な呼び出しがかかることもあります。勉強会や研修も休日に開かれるので休日出勤があるということは頭に入れておくと良いでしょう。
訪問看護ステーション
訪問看護ステーションでは土日祝日休みを採用しています。
ただ、多くの訪問看護ステーションは24時間365日対応できる体制を整えているため、完全に休みというわけではなく土日祝日は交代制で出勤したり、オンコールがあるケースが多いようです。土日休みにこだわりたいという方は事前に確認しておくと良いでしょう。
看護師が休みの多い職場を選ぶためには、施設の種類や休みの数・スケジュールだけでなく、勤務内容や待遇面も重要なポイントとなります。自分に合った職場を見つけ、健康に働くためにも、休養をしっかりと取るようにしましょう。
看護師におすすめの休日の過ごし方
看護師はシフト制のため、休みが不定期で生活リズムが乱れることが多いです。そこで、仕事の疲れを癒し、充実した休みを過ごすためにおすすめの方法をご紹介します。
就寝環境を整える
夜勤があるとまとまった睡眠時間が取れず、睡眠の質も十分ではありません。寝室を騒音が聞こえにくく、真っ暗か薄暗い環境に整えることで、質の良い睡眠を心がけましょう。
平日休みを活用
土日や祝日は家族や友人と休みが合わず、寂しいと感じることもあるかもしれませんが、平日は商業施設や観光地が空いているので、ゆっくり楽しめます。授業参観や地域活動にも参加しやすいです。
家族や友人との時間を作る
付き合いが同じ医療・看護職の人に偏らず、夜勤明けの時間を活用して、仕事以外の人との関わりを持ちましょう。気分転換やモチベーションの維持につながります。
気分転換・リラックス
休みの日は空き時間を作って自宅で休息したり、趣味に没頭したり、運動をすることをおすすめします。体がほぐれて疲れが取れ、気分もリフレッシュします。仕事に張り合いが出てきますよ。
まとめ
看護師の仕事は、休日出勤やシフト制による不規則な労働時間が多いため、充実した休息を手に入れるのが難しい職業の一つです。
しかし、質の良い睡眠を心がけたり、平日の休みを活用することで、体調管理やプライベートの充実につなげることができます。
また、家族や友人との時間を作ることや、気分転換やリラックスする時間を取ることも大切です。
充実した休息を手に入れることで、仕事にも前向きに取り組むことができます。
ぜひ、この記事を参考にして、充実した休息を手に入れてください。